母とガン

突然ですが、私がファイナンシャルプランナーを目指したきっかけは母のガンでした。

現在ガンは日本人の死亡原因第一位で、一生のうちにガンと診断される人の割合は男性が63.3%、女性が48.4%(「がんの統計‘19」)、つまり2人に1人はガンになってしまうくらい身近な

病気になってきました。

しかし昔から不治の病というイメージがあったからか、どこか特別な病気のように感じてしまい、以前の母や私のように「まさか自分がガンにならないだろう」と考えてしまう人も少なくないと思います。

そこで今回は、誰にでもなる可能性があるガンについて、母の闘病を振り返りながら書いてみたいと思います。


母のガンが発覚したのは50歳の時のこと。私が大学を卒業して愛媛県の放送局に入社したその年のことでした。

後で知ったことですが、それまで市の集団検診で数年間「要経過観察」と言われていたそうなのですが、次の検診で「要精密検査」と言われて病院に行った時には、もう乳がんが進行してしまっていました。

(やはり少しでも違和感や不安を感じたら、怖くてもしっかり検査してもらうことをおすすめします!)

その時には既にリンパ節にまで転移をしていたので、片方の乳房とリンパ節を摘出しました。


その後は定期的に病院に通いながらも、ガンになる前と変わらない生活を送り、「きっとこのまま一生ガンと付き合いながら長生きしていくんだろうな」と本人も家族も信じて疑いませんでした。

しかし手術から2年経った頃、腰が痛くなり検査してもらったところ、骨に転移していることが分かりました。

それまで誰よりも元気だった母がすっかり歩けなくなってしまった姿を見て、私は「もう一緒にいられる時間は長くないかもしれない」と悟り、放送局を退社して実家に帰る決断をしました。


それから抗がん剤治療や放射線治療を行い、髪は全て抜け落ちてしまったものの体はすっかり回復し、山登りができるまで元気になったのですが・・・骨への転移発覚から4年後、今度は脳に転移し、急速に病状が悪化して亡くなってしまいました。57歳の若さでした。


もちろん母の死は人生の中で一番悲しい出来事でしたし、普段からもっと母の健康を気遣ってあげればよかったと後悔もしました。

なので私も今は一年に一度人間ドックを受診していますし、周りの人(特に定期的に健康診断を受ける機会のない専業主婦やフリーランスの人)にも強く勧めています。


そしてそんな母のガンを通じてなぜファイナンシャルプランナーを目指したかというと、治療でお金の大切さを実感したことはもちろんですが、保険に関する知識がほとんど無いことに危機感を感じたからです。

実は母がガンになってから知ったことですが、専業主婦だった母は医療保険に入っておらず、唯一加入していたのが、ケガをした時に保険金が支払われる傷害保険でした。

なのでガンになっても、ガンで亡くなっても保険金が支払われることはなかったのですが、そんな状況であることを知らなかった自分に危機感を感じ、「お金は一生関わるものだから、少しでも早いうちに勉強しておかなければ」と、お金の勉強を始めたのです。


また治療を通して、高額療養費制度医療費控除といった制度を初めて知り、「他にも知らないと損をしてしまう制度があるのではないか」と思ったことも大きかったです。

(高額療養費制度や医療費控除については次回以降にお話します。)


そのような経験から普段のセミナーでもガンについては時間をかけてお話しているのですが、「備えあれば憂いなし」と言うように、日本人の2人に1人、夫婦がいればどちらかはガンになってしまうくらい身近な病気に対して、早くから知識を持って備えておくことに損はありません。

そして母のガンを経験し、現在ファイナンシャルプランナーとして仕事をしている私には、それを伝える責任があると思っています。

そこで次回からは、ガンへの備えや、ガンとお金についてお伝えしていきます。


FPアナウンサー

小原佳代子

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