シュウカツ戦線異常なし

ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ  紀友則(33番) 『古今集』春下・84



先日までダウンを着ていたのに、最近ではコートを着ていても暑いくらいで、この桜の開花を待つ時期になると必ず思い出す一首があります。現代語訳をすればこんなに日の光がのどかに射している春の日に、なぜ桜の花は落ち着かなげに散っているのだろうか。でしょうか。この一首とともに思い出すのが二つの“しゅうかつ”という言葉です。一つは『終活』もう一つは『就活』です。


最初に一つ目の『終活』という言葉。2009年ころに週刊誌で紹介されてから社会的に認知されました。 終活とは「人生の最期のときを意識しながら、これからの人生を自分らしく生きる準備をし、亡くなったあとに備えること」という意味です。いわゆる『エンディングノート』の作成などこれから迎える老後と人生の終わり方を考えることです。葬式や相続などの「エンディング」だけでなく、医療、介護、年金、資産管理、住まい、これからの暮らし方など、「人生後半期のライフプラン」まで広い分野が想定されます。


日本は長寿国です。厚生労働省の平成29年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性は87.26歳に達しました。超高齢化社会の進行に伴い、単身高齢者の孤独死、認知症患者の増加、空き家問題、相続トラブルの増加、

各種高齢者を対象とした詐欺、金融商品の高齢者への不適切な募集など様々な問題も浮き彫りになってきました。このような時代に、高齢者が自らのライフプランを再設計し、人生の終わりの時までのプランニングや、残された家族に迷惑をかけないような防衛術などを積極的に考えるような取り組みがフォーカスされるようになってきました。


まずは、ご自身やエバーハーフ(配偶者)自身の介護や認知症の備えです。老々介護などの言葉が聞かれるように、核家族化や地方の過疎化などが問題となっている今、介護や認知症、高齢医療への備えは自助努力でする必要があります。公的介護保険などの保障はあるのですが、少子化の日本において、我々40代の世代は将来の介護・認知症や長期入院に備えて置く必要があります。認知症に至っては介護する側の精神的・金銭的な負担も多く健康なうちから民間介護保険などで備えておく必要があります。民間介護保険の中には、公的介護要介護1から終身年金や保険料払込免除などの恩恵を受けられるものもあり、また所定の認知症と診断された場合、終身年金・一時金を受け取ることができるものもあります。どちらかというと、なった本人よりもそれを介護する側の方のための保障だと思います。


また、財産や保険などについてもまとめておく必要もあります。長い老後生活を豊かに送るためには、働いていて給与収入があった時以上の家計収支を把握しておく必要があります。ファイナンシャル・プランナーにキャッシュフローを作成いただくと、多くの家計で70歳前後で預貯金が底をつくようなシミュレーションを見ることが多いです。また、現状では後期高齢者医療保障などがあり、高齢者の自己負担額は少ないにせよ、先ほど申し上げたような少子高齢社会では、今後自己負担の額も増加する可能性も